運送業で義務づけられているアルコール検査とはどういうものなのか

運送業で義務づけられているアルコール検査とはどういうものなのか
かつて運送業者のドライバーの中にも、飲酒した後に運転をする、いわゆる飲酒運転が問題になっていました。事故を招く飲酒運転を根絶するために、平成23年5月から運送業者が行う運転者の点呼時に、アルコール検知器を用いたアルコール検査が義務づけられました。このアルコール検査とはどのような内容で、違反するとどういう罰則があるのでしょうか。そこでこの記事では運送業を行うものが義務づけられているアルコール検査について見ていきたいと思います。
 

アルコール検査が義務づけられている事業者とは

アルコール検査が義務づけられているのは、以下に挙げる旅客自動車運送事業者や貨物自動車運送事業者です。
  • 一般旅客自動車運送事業者
  • 特定旅客自動車運送事業者
  • 一般貨物自動車運送事業者
  • 特定貨物自動車運送事業者
  • 貨物軽自動車運送事業者
 

アルコール検査の内容とは

上に挙げた事業者は、営業所ごとにアルコール検知器を備え付けておかなければならず、また遠隔地で乗務開始したり乗務終了したりする場合には、運転者にも携帯型のアルコール検知器を携行させる義務があります。所属する営業所以外の営業所で検査を行う場合には、運行管理者などが立ち会って検査しなければなりません。
 
乗務を開始する前と終了後には点呼の実施が必要ですが、ドライバーの顔色や、呼気臭、声の調子などを確認するとともに、アルコールが検出されないかチェックする必要があります。遠隔地など出先で対面による点呼ができない場合は、アルコール検知器を携行させて、測定結果を報告させなければなりません。
 

アルコール検知器

アルコール検知器は、飲酒状態を判断し飲酒状態と判断した場合には、エンジンを始動しないようにするアルコールインターロックに加えて、測定に使うアルコール検知器の性能は問わないということになっています。つまり、記録型のアルコール検知器でなくても、警告音、警告灯、数値などによって、飲酒しているかどうかわかればいいということになります。
 
アルコール検知器は、アルコールインターロックに加えて、性能などはアルコール反応があれば赤く光るような検知器でも問題ありません。だから、運送会社によって持っているアルコール検知器はさまざまで、記録型でなければだめということはありません。ハンディタイプの簡易なものでも問題はないのです。
 
アルコール検知器は適切な管理と保守が必要です。いざ使おうとしたときに故障していては意味がないため、毎日電源が入ることや故障していないことなどを確認した上で使用する必要があります。
 
また、最低でも週に1回は正常に動作することを確認するため、酒気を帯びていない人が使用するとアルコールを検知しないことや、口内にアルコールを噴霧して使用したときは検知することなどを確認するようにしてください。
 

どのアルコール検知器がおすすめ?

このようにアルコール検知器は重要なのですが、どのような機械を選べばよいのでしょうか。資金が潤沢にある会社であれば、高機能な記録型のアルコール検知器を購入すればいいと思いがちですが、実はメンテナンスも必要で維持費もかかります。
 
簡単に利用できるハンディタイプのものでも使用上は問題ありませんので、無理に高機能なものを購入する必要はないでしょう。とはいえ、量販店で購入できるような安い検知器では心もとないですので、業務用のものを購入するとよいのではないでしょうか。
 

違反するとどうなる

アルコール検知器に関する行政処分基準も設けられています。
 
アルコール検知器を備えることに関する義務に違反した場合は、初違反であれば60日、再違反になると180日の車両停止処分となり、常時有効保持義務違反の場合は、初違反は20日、再違反は60日の車両停止処分となります。
 
もし飲酒とわかって乗務させた場合には、どんな罰則があるのでしょうか。この場合は、初回の違反でも100日の車両停止処分となり、運行管理者資格者証の返納命令になるなど厳しい処分が言い渡されますので、必ず守るようにしましょう。
 

運送業における正しい点呼方法

基本は対面で点呼を行うことです。運行上やむを得ない場合は、携帯電話や業務無線などドライバーと直接対話できるもので行います。電子メールやFAXなどの一方的な連絡方法では点呼と認められません。
 
点呼を実施した記録は検査した運行管理者が在籍する営業所と、ドライバーが在籍する営業所の双方に保管しておく必要があります。補助者を選任して点呼を行う場合であっても、点呼の総回数のうち3分の1以上は運行管理者が行う必要があります。
 

まとめ

運送業界で仕事をするためには、常時アルコール検査を受ける必要があります。酒気帯び運転には厳しい罰則もあります。アルコール検査は事故を防ぎ、安全な運転をするための基本なのです。
 
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